狼少女と王子様
「ねぇ、俺と海どっちのほうが
好きなの?」
「僕だよね?茜!」
昔の思い出
十歳くらいだったと思う
渓と海が女の子みたいに可愛かった頃
まだ凛と仲良くなかった頃
二人は私の事を好き
だったらしい
今は知らないけど・・・。
だって私は二人に対して
酷いことを言った
「二人とも嫌い。
男なんて大嫌い。
返して!
お母さんと妹を返してよ~」
二人には関係ないのに
二人が悪いんじゃないのに
酷い、最低な事を言ってしまった
「ごめん。二人は関係ないのに。」
自分が悪いのになぜだか涙が溢れる
「「/////。」」
ふわり
ぎゅっと抱きしめてきた
渓と海
「けーちゃん?かいちゃん?」
小さい私は訳が分からず
何も出来ずにいた