狼少女と王子様



でも、不思議と嫌じゃなかった


「ふたりともあったか~い。」



クスクス笑う私に対して

少し顔が赤い二人



「ふたりともだいすきだよ。」



ニコッと笑えば

さらに林檎みたいに真っ赤になる





その頃からだった


少しずつ海が好きになっていったのは




渓と海はいつも私だけに


最高の笑顔で

一番優しくしてくれた



辛い時も寂しい時も

嬉しい時も楽しい時も・・・・。








小学校で私にはいつも渓と海がいて

他の男子なんて寄りつかなかった





後から聞いた話だと


私に近づく男子は二人が

やっつけていたとかなんとか




いつもはクールな海が


小学校の時の夏祭り

はぐれないように手を繋いでくれた




「茜は背が小さいからな見つけにくいの。」


そう頬を赤く染めて


そんな不器用な海に私は惹かれていった



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