狼少女と王子様



「ため息ばかりついてると

幸せ逃げちゃうよ?」


お前のせいだ馬鹿



もう、無視だ、無視




「ねぇ、聞いてる?

おーい。」


休み時間まであと五分か



今日は会議がないから

凛とゆっくりご飯を食べれる♪




「橋本さん。」


ビクッ




このヤローー


耳に息吹きかけてきやがった



人がいい気になってたときに




はぁー


最終手段使うか



最終手段嘘泣き!



目にいっぱい涙ためて

少し俯く




ぽろりっ


涙が一滴ノートの上に落ちる



次々流れる雫


「橋本さん?

だ、大丈夫?」



ふふっ


焦ってる、焦ってる


思惑通り




そして・・・


少し眉をさげて水城くんを見る



「えっ、あ、ごめん。」


やった

大成功!!



嘘泣きが効いたのかそれから

水城くんは私に声をかけなかった


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