狼少女と王子様
この嘘泣きを伊純が見ていて
顔を真っ赤にしていたなんて
知りもしなかった
水城くんに声をかけられなかったおかげで
ゆっくり授業中にお昼寝できました(おい!)
「橋本さん!起きなさい!」
突然先生に起こされた
私は超不機嫌状態
無意識に先生を睨みつける
「ほらそんな顔しないでとっとと
黒板の問題を解いて頂戴。」
あ、そうだった。
数学の佐々木先生って
元ヤンキーだった
普通の先生なら睨んだら恐怖で
何も言ってこないのに
面倒くさい
「今すぐ解かないなら今日居残りね」
「!!」
もぉ
折角水城くんから開放されたのに
今度は佐々木先生からかよ~
「分かりましたよ。
解けば良いんですよね
解けば。」
「分かったなら宜しい。
ほら早く黒板まで行って。」