狼少女と王子様


「分かればいいけど、

どうして伊純が葵のこと」



可笑しいでしょ


いきなり伊純が葵事を聞くなんて




「ちょっと来い」

えっ



腕をいきなり掴まれ


教室から東棟の空き教室に

連れ込まれる




ガチャッ


鍵をかけるような音がして

背筋が伸びた




何するつもり?




ここは教室から一番遠い東棟の一階


私たちの教室は西棟の四階



日が当たらない所にある為

人が滅多に入らない




さすがにこんな所に連れて来られて

気分のいい人なんていない





「ちょっとなんなの。

こんな所に連れてきて。」



伊純から返事は返ってこなかった




言葉では・・・。







えっ?


少しばかりパニック状態



だって伊純が私を抱きしめてるから


< 53 / 100 >

この作品をシェア

pagetop