狼少女と王子様
あの人は今も警察署で
暮らしている
葵は病院から抜け出したまま
帰って来なかった
「そんな事があったの。」
「うん。
だから葵が居なくなった日から
ずっと私は葵を探してる。」
だって葵が病院から抜け出したのは
私のせいだから
私があんな事したから
「絶対に茜のせいじゃないよ。
自分をそんなに攻めないで!
私にはなんとなく分かる
茜が考えてる事。」
思いっきり顔を上げて言う凛
そこには心配そうで強い眼があった
やっぱり、凛には適わないな。
「ありがと、凛。」
そんな凛の髪をくしゃっっと撫でる
いつもは女王様の癖に
肝心な時、可愛くなってさ
全くずるいよ
「私も探すからね!」
「えー。」
私の返事が不満だったのか
女王様に戻ってしまいました(笑)