狼少女と王子様



あの人は今も警察署で

暮らしている



葵は病院から抜け出したまま

帰って来なかった





「そんな事があったの。」


「うん。


だから葵が居なくなった日から

ずっと私は葵を探してる。」




だって葵が病院から抜け出したのは

私のせいだから



私があんな事したから




「絶対に茜のせいじゃないよ。

自分をそんなに攻めないで!


私にはなんとなく分かる

茜が考えてる事。」



思いっきり顔を上げて言う凛



そこには心配そうで強い眼があった




やっぱり、凛には適わないな。




「ありがと、凛。」


そんな凛の髪をくしゃっっと撫でる




いつもは女王様の癖に

肝心な時、可愛くなってさ



全くずるいよ




「私も探すからね!」


「えー。」



私の返事が不満だったのか

女王様に戻ってしまいました(笑)


< 62 / 100 >

この作品をシェア

pagetop