狼少女と王子様
「別に教えてもらわなくたって
分かってるし。」
また、強がり。
普通にありがとうが言えない
どうして素直になれないんだろう
「ぷぷっ。伊純くん、ありがとうね。」
「あ、ああ。」
凛が笑っているからか
伊純は不機嫌そう
確かに凛に笑われると
喧嘩売られた気がする
ってか、いつまで笑ってるのよ
私は凛を少し睨みつけるけど
笑い声は止まらない
「じゃ、私先行くね。」
えーっ!?
ちょ、ちょっと凛酷いよ!
追いかける間も無く
凛は教室に戻った