狼少女と王子様





少しの沈黙



「橋本、教室に戻ろう。」


「嫌っ!


さっきまで茜って呼んでた癖に

なんなの意味分かんない。」



渓といると可笑しくなる

私が私じゃなくなる





「私は渓のこと・・・。」


「えっ。今茜、俺の名前 。」



私、何言おうとして


しかも、伊純のこと名前で。



溢れそうな涙を堪えて

屋上から走って出た




「茜!」



渓の声が聞こえたけど

それどころではない



教室に戻る途中水城に会った


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