狼少女と王子様
聞こえてきた茜の声
気づかれないように
静かに耳を澄ませる
「改めて言うよ
僕は君のこと好きなんだ。」
薫が茜を好き?
まだ会って間もないのに
しかも改めてってどういう事だ?
茜の返事をひたすら待つ
茜はため息をついた
「前にも言ったよね
私は好きなんて言葉だけで承諾なんてしない。
それに、私には約束があるの
何よりも大事な約束が。」
「約束?」
思わず声に出していた
ヤバい、気づかれる
「約束ってまさか龍さんと?」
「えっ。うん。」
どうやら聞こえなかったらしい
しかし、薫と茜どっかで会ってたのか?
後、龍って誰だよ!
あ〜も〜
気になる!
俺はむしゃくしゃしたまま教室に戻り
席に着く