狼少女と王子様



素直に頷くと


柔らかい感触



触れたのは一瞬で

でも、凄く長く感じた



そういえば渓の時も・・・・。




「本当は色々決着つけてからに

しようと思ってたんだけど。」


「うん。///」


ねぇ海、期待して良い?




まだあの日のことを

全部忘れられる訳じゃないけど



まだあんたが

男が大嫌いだけど



それに矛盾した

好きがまだ残ってるの




渓も海も薫も

大嫌いだけど好きなの



「茜、好き。大好き。」


顔を真っ赤にしながら

顔を腕で隠す海



かわいいっ

久し振りに見た




「私もね・・・・。」


好き


そう言おうとした瞬間に聞こえた渓の声





「俺は茜が好きなんだよ。」



ドキンッ


まるで心が渓を欲してるみたい



好きな訳ないのに

次の言葉が出てこない


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