狼少女と王子様



目を開けると日差しが眩しくて

朝なんだと分かった


重い体を起こして学校に向かう




まだ私は海を傷つけてしまった後悔で


このあとの地獄など

まったく気づかなかった




教室に着くや否や

私はクラスの女子に囲まれる



「ちょっと良い?」


スタイルのいいギャルが

私を睨みながら聞いてくる



何のことかは分からなかったが

無視したら後が面倒なので


大人しくギャルについて行った




体育館の裏について

すぐに胸倉を掴まれる



後ろには壁。


囲まれて逃げ場はない




「お前さ、調子乗りすぎ」


「王子に近づくなんて

あんた何様?」


「いっぺん死んでこいよ」


所々から聞こえる暴言

痛みなんて感じないくらい殴られたお腹




私に話かけたギャルは


海、渓、水城くんの

ファンクラブの会長だった


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