狼少女と王子様
私が何をされたか
理由がなんなのか
だけど、騙されてくれた
聞かないでくれた
だけど渓達が引き下がるなんて
ありえなくて
「茜、誰かに何かされたのかよ。」
うん、された
「どこかいたい?」
うん、痛い
「苦しいの?」
うん、苦しい
そんなの言えない
もし、頼ってしまったら
きっと今より酷くなる
俯いてる私に凛が近づく
凛は私の手を優しくなでて
柔らかく掴んだ
「茜、教室帰ろう。」
「うん。」
ベッドから降りようとしたら
お腹に激痛がはしった
「いっ。」
声もでないくらい
痛い
痛いよ
私が何をしたっていうの?
渓達が勝手に好きになったのに
私は嫌いなのに
「なんでぇ。」
「茜?」
渓だけに聞こえたらしく
他の皆はパニック状態