狼少女と王子様
「渓、助けて。」
「えっ?」
頼ってしまったら駄目なのに
痛みのせいでもう訳が
分からなくなっていた
「渓達を好きな女子にやられたの。
暴言、暴力。
痛いよ。苦しい。」
渓は私が話終わるまで何も言わずに
話を聞いてくれた
私ってこんなに弱かったっけ?
すぐに相談してしまうなんて
「うん。分かった。
俺が茜を守ってやる。」
「ありがとう。」
中々言えなかった一言
やっと言えた
周りを見ると何故か渓しかいなく
少し不思議に思ったけど
特に気にしなかった
二人きり・・・・。
なんて考えもしなかった
男なんて嫌いなのに少し安心していた
馬鹿みたいに
そう、私は馬鹿だった
さっきから続く沈黙
何か話そうと言いかけた時
突然ドアが開く