狼少女と王子様
「俺に助けてって泣きそうな顔で言ったのは
何処のどいつかな?」
その言葉に何も言えなくなってしまった
意地悪渓
いや、悪魔だ。悪魔。
確かに助けてって言ったのは私だけど
やっぱ渓に助けを求めるのは間違いだった
「お礼はそうだな」
「えっ。お、れい?」
あと数センチの所に渓の顔
まさか・・・・。
優しく重なる唇
少し息が苦しくなって
口を開けると
生温かいものが入ってくる
「あっ。」
私の声とは思えない甘い声
響く水音
私が逃げても逃げても
渓は離してくれない
「んにゃぁ。」
激しくなるキス
ヤバい意識が朦朧としてきた
体に力が入らなくなって
頭を窓に打ちそうになると
渓の手が頭を支えてくれた