狼少女と王子様
俺は茜が好きだから
好きでもない人と結婚なんて
ごめんだ
話が終わり保健室に戻ると
もう二人はいなかった
少し不思議に思ったけど
先生に用事を頼まれてしまい
あまり深く考えなかった
そして帰ってきたらさっきの状況だ
茜が渓を好きだとしか考えられなかった
茜から渓が好きだと聞かされるのが怖くて
気づけば走り出していた
もしかしたら茜が追いかけてくるかも
なんて淡い期待をして
あまり行ったことのない公園に着く
ブランコに座り数分
公園に入ってくる人影
茜?
そう思ったが
「みつけた。」
聞き覚えのある
低い声
茜、追いかけてくれなかった
そうか茜も同じ思いをしたんだ
俺が追いかけなかった時
茜はこんな切ない思いしていたんだ