狼少女と王子様
茜〜side〜
「海の馬鹿。」
家に帰ってからこれ以外の
言葉を発していない
あんまり言ってると海に
聞こえちゃうかも
今、少しだけ渓に
甘えたことを後悔している
私は最低な人間だ
甘えたのは私なのに
それを海に知られたくなかった
どっちが好きなんて分からない
渓に甘えて
海にすがって
いつも曖昧
何もかも中途半端
葵すら見つけられない
「ごめんね。」
涙があふれた
翌日
いつものように上履きを
履こうとしたとき
上履きに画鋲が入っていた
うわぁ。
幼稚な嫌がらせだなぁ
っと思いながら
やったと思われるクラスの女子に
同じことしてやった