一夏の思い出。






そういう日が何日か続いて気づいたらもう、あと2日で帰る日になっていた。


あたしは弱っている夢汰を放って帰ることができない、と思い夢汰に聞いてみることにした。


下におりていくと、夢汰がソファーで寝ていた。
その寝顔はあまりにも気持ちよさそうで…。。


「ねえ、夢汰。
どうしたの?何があったか話してよ。あたし悲しいんだよ。叶わない恋なんか夢汰にしちゃって…。」

あたしは寝ている夢汰にむかって泣きながら話しかけた。

すると寝ているはずの夢汰が目を覚ました。

「どうしてないとる?
俺はいつもどおりやで。」


あたしは涙が込み上げてきた。


「うック…、ううぅ、夢汰ぁ、どうしたの?何に苦しんでるの?」

あたしは泣きながらそう、夢汰に問うしかできなかった。

夢汰は少し黙った後、口を開いた。

「俺…、病気なんや。もうすぐ死ぬんや。だから萌依には明るい笑顔のまま帰ってほしかった。」


夢汰は涙ぐみながら話してくれた。あたしはただ聞くことしか出来なかった。


「萌依…。お前には強く生きてほしい。人生に後悔しない人間になってほしいんや。」


最後の方の声はもう、かすれていた。


「うん。わかったよ。あたし強く生きるから。あたし、さよならは言わないよ、別れじゃないもん」

「ほんとにッ!お前には、叶わんわ!」
涙目になりながら夢汰は笑ってくれた。
そしてあたしはある事を思いついた。









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