一夏の思い出。





ウィ──ン。

何かの音がする。
そう、それはあたしの住んでいる都会にはない、夢汰の住んでいる雛見沢村にだけあるもの。

5時を知らせるサイレンだ。


あたしはそのサイレンを聞いて、ようやく目が覚めた。


でも、隣には夢汰がいない。


不安に思い、痛い腰を抑えながら下にあるリビングに行くと、

そこで夢汰は料理をしていた。

ビックリしたあたしは夢汰の所に行って、


「夢汰って料理、作るんだぁ!!」

と興味津々に言った。

すると夢汰は、

「バカにするなぁ、
俺様を誰だと思っている!
みんなが愛する夢汰様やぞ!」


と、偉そうに言っている。

「あははッ!みんなが愛するとか!
夢汰モテるの?」


と、あたしは聞いてみた。

「なんや、気になるんか?」

とニヤけ顔で言ってきたので、

「ぜーんぜん!」

と、返事を返してやった。


ちょっと気になっていた事は、秘密だね!








夢汰の作った夕飯は、
チャーハンにコンソメスープだった。




「ん!おいしいじゃん!!」

と、あたしが素直に誉めると、なんや萌依でも誉める時はあるんやな。といいながらも夢汰の顔が赤かったから、

その事がうれしくて、
あたしはそっと触れるだけの、
キスを夢汰にした。


初めて自分からして

恥ずかしかったけど、夢汰が嬉しそうな顔をしてくれたから、

とても、うれしかった。








< 5 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop