一夏の思い出。
ウィ──ン。
何かの音がする。
そう、それはあたしの住んでいる都会にはない、夢汰の住んでいる雛見沢村にだけあるもの。
5時を知らせるサイレンだ。
あたしはそのサイレンを聞いて、ようやく目が覚めた。
でも、隣には夢汰がいない。
不安に思い、痛い腰を抑えながら下にあるリビングに行くと、
そこで夢汰は料理をしていた。
ビックリしたあたしは夢汰の所に行って、
「夢汰って料理、作るんだぁ!!」
と興味津々に言った。
すると夢汰は、
「バカにするなぁ、
俺様を誰だと思っている!
みんなが愛する夢汰様やぞ!」
と、偉そうに言っている。
「あははッ!みんなが愛するとか!
夢汰モテるの?」
と、あたしは聞いてみた。
「なんや、気になるんか?」
とニヤけ顔で言ってきたので、
「ぜーんぜん!」
と、返事を返してやった。
ちょっと気になっていた事は、秘密だね!
夢汰の作った夕飯は、
チャーハンにコンソメスープだった。
「ん!おいしいじゃん!!」
と、あたしが素直に誉めると、なんや萌依でも誉める時はあるんやな。といいながらも夢汰の顔が赤かったから、
その事がうれしくて、
あたしはそっと触れるだけの、
キスを夢汰にした。
初めて自分からして
恥ずかしかったけど、夢汰が嬉しそうな顔をしてくれたから、
とても、うれしかった。