Blood smell 2
『もう、全ては手遅れだ…。

我々はお前たちを認めない

今こそ裁きを…!!』


ダンの禍々しい声とともに
一気に闇が迫った


そして
その闇はコウモリに姿を変えて
私に牙をむく


きゃぁぁぁぁ!!



あまりの恐怖とリアルな牙の感触に


私は
飛び起きた



はぁ
はぁ…



視界に飛び込んできたのは
見慣れた部屋


「冴?」


そして
心配そうに
私の顔を覗き込む愛しい人

「修二…。」


掠れた声で彼を呼び
その強靭で冷たい体を引き寄せた


大理石の様に滑らかで
白い肌
氷の様な冷たさの中に
人一倍の愛を感じる事が出来る


…夢でよかった…

修二の胸に顔をうずめながら
安堵のため息をこぼすと
そっと
私の肩に修二の手が置かれた
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