Blood smell 2
どれくらい森を歩いたのか
目の前には大きな一枚岩が現れた


「ああ、着いたようだ。」


学園長先生は
そう言って
一枚岩にあいた人ひとりが
やっと通れるくらいの穴を入っていく


愛子さんもそれに続き

修二と私も中に入った


真っ暗な穴は
続くかと思っていたが
すぐに途切れ

変わりに目の前の景色一変した


穴を抜けると
そこは木々が開け大きな広場になっていた

そして
その中央に広大なログハウスが佇み
私たちを迎えている


「…すご―――い。」


思わず口から零れた言葉

「確かに…こんなに立派な家だったなんて。」

修二も驚いたようにあたりを見回す


ちょうどその広場の上には
崖がせり出し
空から見えなくなっていて

広場を囲む木々の向こうも
岩盤で覆われていた

まるで
そこは天然の要塞だった


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