Blood smell 2
私が修二を汚した?


このヴァンパイアたちは
私が修二を
たぶらかしたとでも思ってるの?


「…どうも思ってない。」


「なに?」


私の言葉に
皇帝は眉を吊り上げる


「私たちは出会って恋をした。
その想いを恥じた事は一度もない。

後悔したことも…無い!」


怒りに震える皇帝を見てハッキリと告げる
その場にいたヴァンパイアたちがどよめいた


「下等生物のくせに!
生意気なっ!!」


怒りにまかせて
皇帝が手を振り上げた

その瞬間
私の体は宙を舞い

数メートル後ろに吹き飛んだ


床にたたきつけられるのと同時に
右腕が勝手にありえない方向に曲がり

ボキンっ!
鈍い音を立てて力なく垂れ下がった

熱い激痛が走ったが
私は必死で声をこらえる



「撤回しろ!
ウジ虫の様なお前とヴァンパイアの恋?!

考えただけで虫唾が走る…
二度とそんなことを言えないように
してやろうか!!」


皇帝は立ちあがって
今度は伸ばした手のひらを力強く握る


その直後
先ほどよりも強い痛みが腹部を襲った
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