最後のページ
とりあえずノートを鞄にしまった。
遅刻する!
すでに遅刻なんだけどもっ
急いでるほうが印象よくない?
タッタッタッ
空いているドアから体育館のなかに入る。
「ん?どうした?山之内が始業式そうそう遅刻なんて…」
「ハァハァ…あっそのっ…小さい男の子があ母さんとはぐれちゃったみたいで…私ほっとけなくて…ハァハァ」
「そっそうか!早く空いてる席に座りなさい」
「ありがとうございす」
相当息を切らしている私を見た先生は、
まんまと私の作り話に騙させた。
所詮大人もこんなもんでしょ。
だから嫌いなんだよ。
すべて外見で判断して。
大人なんてカスだっつーの。
一番後ろの一番右側の席に座った。
ほぼ全員寝てる…。
私の学校はもちろん頭がめっちゃいい子ばっかりなんだけど、
運動で入ってくる子も多いからギャルやギャル男も普通に居る。
「遅刻?」
「わっ!?」
びっびっくりした…。
「そんな驚かなくてもよくね?クスクス」
「ねっ寝坊した…」
恥ずかしさのあまり赤くなる頬を隠すために下を向いた。
「愛が寝坊とかめずらしいね?」
甘いマスクをつけて
下から私の顔を覗き込んでくる。
嫌だ。
だから嫌いなんだ。
勝手に人の心の中にズカズカ踏み込んできて
何考えてんのかわかんない。
「べっ別に…」
「ふーん?クスクス」
まだ頬が熱い。
こいつと話してると調子がいつも狂う。
「起立!一同例!」
「各クラスの前の掲示板にクラスと名前が書いてあるので、各自で確認して自分の教室に入るように」
ぞろぞろ体育館から生徒たちが出ていく。
私も早く教室に行きたかったから鞄を手にとって立ちあがった。
グイッ
「ぇっ」