魔法学園ユートピア
「誰ですの?」

神宮寺が幸大の方を向く。

「あ、馬鹿!」

その瞬間、


ドパンッ、


神宮寺の顔の手前には幸大の手があった。

その幸大の手は、髪の長い少女の拳を受け止めていた。


「な、なんですの?」

「獣と睨みあったら、目線を逸らすな。」

「誰が獣よ。」

「ち、ちょっと、お姉ちゃん!」

「あの、何で私を狙いましたの?」

「ああ、こいつは俺を殴るときなぜか狙いを外すらしい。

だから、意図的に殴られたことはないんだけどな。」


「それより、いつまで私の手を握ってるの?」

「手じゃなくて拳だ。

それより、なんでここにいるんだ?」

「あの、誰ですのこのお二方は?」



「初めまして、私は二月<ふたつき>、奈都<なつ>です。」

「奈都の姉の亜紀よ。」

「初めまして、私は神宮寺呉羽です。」


「で、何でここにいるんだ?」

「私達はこの学園の生徒なんですよ、お兄さん。」

奈都が言う。

「マジか!?」

「ちなみに、幸大が寮監をしてる寮の寮生よ。」

「昨日、居たか?」

「実は私が昨日体調崩してお姉ちゃんが付いててくれて、今日から登校なんです。

だから、放課後、手続きしたいんですけど、良いですか、お兄さん?」

「まぁ、仕事だしな。」
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