魔法学園ユートピア
「じゃあ、これで失礼しますね。」

狭山が帰る。


「私も帰りますわ。」

「私も帰るから。」

「それじゃあ、お兄さん、また明日。」


神宮寺、二月姉妹が帰る。

「じゃあ、先生、僕も失礼します。」

「待った。」

幸大が石動を呼び止める。

「何か?」


「もし、間違ってたらゴメン。」

「何がですか?」

「もしかして、石動って…女?」


「!?」

バンッ、

石動が幸大の口を押さえながら壁に押し付ける。

「あ、すいません。」

手を下ろす。

「やっぱりか。」

「何でですか?」

「声も少し高いし、歩き方とか動作かな。

最初に会った時にも、食堂でも。

まぁ、決定的だったのはさっき腕を見たから。」


「腕を見ると解るんですか?」


「腕をって言うか、骨と筋肉の付き方だ。」

「筋肉の付き方なんて鍛えたら誰でも、」


「いや、そうだな、女性のボディービルダーと男性のボディービルダーの筋肉の付き方は違うんだ。

筋肉の付く基礎の骨が違うからな。

男性はこんな風に筋肉はつかない、女性の筋肉の付き方はこうだ。

って言うのが体の構造上決まってるんだ。」

「だから、ですか?」


「ああ。

まぁ、ちょっと気になっただけだ。

引き留めて悪かったな。」


「理由、聞かないんですか?」
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