魔法学園ユートピア
午後


「さて、またプールを漂ってくるかな。」


幸大がプールに向かおうとする。

「待って、幸大君。

あっち、何か騒がしいけど何かあったみたいよ。」

学園長が言う。

「ちょっと行ってみましょう。」

学園長を追いかけて皆が後に続く。


「どうしたんですか?」

子供が足から血を出してる。

「解らないんです。

いきなり何かが飛んできて子供が!」


子供の母親が言う。

「キャアッ!」

周囲にいた女性が悲鳴をあげる。

「どうしました?」

幸大が駆け寄る。


「何かが飛んで…」

腕から血を流す。


バチンッ、

「何の音だ?」

幸大が辺りを見回す。

「もしかして、これか?」


子供の持っていたビート板に穴が開いていた。

「一体、何なの?」

亜紀が言う。

「学園長、何かわかりました?」

「わからないわ。

魔法じゃないことは確かね。」


「人為的に?」

バチンッ、


「あ!?

俺のマット!」


壁に立て掛けていたマットには穴が開いて、空気が抜け始めた。


「どうやって?」

幸大がマットをどかす。

「水?」

マットの穴のちょうど後ろに水があった。

「壁は乾いてるし、マットは斜めだから、

それに上から流れたわけじゃない。」


「もしかして、飛んできたのは水?」


亜紀が訊く。

「多分な。」


「でも、どうやって水で攻撃をするんですの?

魔法ではありませんのよ?」

神宮寺が言う。

「高圧ガスで水鉄砲を強化してんだよ。


モデルガンにガスで強化するのと同じだ。」


「でも、水ってそんなに威力があるんですか?」

石動が訊ねる。

「高圧、高速の水はダイヤを削ることもできるくらい強い。」

「ダイヤを…」

「幸大君。

犯人をビシッと捕まえましょ。」
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