魔法学園ユートピア
「出世払いでお願いします。」

「一生、出世できないかもよ?」

「それより、クリスのこと…」

「ボス、自分で話します。」


「取り敢えず、俺の部屋に、学園長も。」





幸大の部屋


「どうぞ。」

「気が利くわね。」

「ありがとございます。」


全員が出されたコーヒーを一口飲む。

「で、クリス。

さっきの続きは?」


「はい。

私は吸血鬼の血を引いてます。

神宮寺さんのことも、あちらは知りません。

でも、私は、知ってました。

彼女は、吸血鬼でも有名な一族の血を引いてます。


ただ、私は吸血鬼の血をほとんど…」


「どういうことだ?」

「私の父は、吸血鬼のクォーターです。


そして、私は、小さい時に病気になって全血輸血をしました。」

「全血輸血?」

「つまりは血の総入れ換えよ。」

学園長が補足する。


「じゃあ、クリスは」

「血、という点では吸血鬼ではありません。

そもそも、父も吸血鬼としての力はほとんどありませんから。

ただ、魔力がわずかにあっただけです。」


「クリスがこの学園に来たのとは関係は?」

「ありません。

私は学園長に誘われただけですから。

でも、ウルフマンが来るって聞いて。

だから、心配になって見ていたんです。

まさか、あのわんちゃんがウルフマンだとは思いませんでした。」
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