魔法学園ユートピア

「おそらく、私は動きを封じられるわ。

そして、幸大君、クリスも。

さらには、亜紀ちゃん、奈都ちゃん、涼ちゃん、後は狭山先生も。」


「狼男の後ろについてる奴ら、そんなことができるなら狼男を倒しても意味が無いんじゃ、」


「いいえ。

狼男を倒す、全滅がベストだけど、戦力を減らすだけで良いの。


そしたら、吸血鬼の名門。

神宮寺さんの親戚が動くわ。

狼男さえ倒せば、あとはやってくれる。

多分ね。」


「なら、やることは決まってますね。」

幸大が意気込む。

「幸大君、私の話、聞いてた？

私達は動きを封じられるわ。


つまり、狼男に手出しできない。

さらには、私達も引き離されて、最悪、殺されるわ。」


「まじっすか？

下手に動けないのか。」


「ボス、一つ質問が、」

「何かしら？」

「ウルフマンって、男しかいないんですか？」

「そうよ。

ウルフマンは人間の女性と結婚するの。


産まれた子供が女なら人間。

男なら狼男。

必ずそうなるらしいわ。」


「初耳です！」

クリスが目を輝かせる。



「あ〜！

駄目だ。

考えても何も浮かばない。」


「幸大君、アドバイスよ。


本気で命を賭けたいモノに、

策はいらないわ。


命を賭けたいモノは、本当に命を賭けてでも奪いなさい。」

「えっ？」

「ただ、ね。

一度、全てのモノを失うと、再び手にした時、

それを護るためにさらに強くなれるのよ。」

「一度、失うと、ですか。

まぁ、わかりました。」