マイ・シュガーランド
「ミホちゃん?」
「・・は、い?」
「これ以上、近づかないでくれる。
視界に入るだけで目障り。」
柘植さんからは笑顔が消え、鋭く彼女を睨む。
低い声はその表情にすごく合ってて・・・
「――――ひっ」
彼女が小さく悲鳴を上げるくらい、怖い・・!
「ついでに、なっちゃんにも気安く喋りかけないでくれる?
俺の大事な婚約者だから。」
左手をグイッと引っ張られ、柘植さんに抱き寄せられる。
「―――――こ、こんやくしゃ!?」
二人が目を見開きながら揃って大声を出す。
「なっちゃんが必死で働いた金で借りたこのアパートで二人仲良く暮らしていけばいいよ。
ま、この先も全く売れなさそうなホストと他に何人も男がいるだろうミホちゃんとじゃ、長くは続かないだろうけど。」
鼻で笑いながら話す柘植さんは・・
なんとも言えないオーラを出していて・・
二人は怯えるような顔をして立ち尽くしていた。