マイ・シュガーランド
「なっちゃんは俺がこの先ずっと幸せにしてあげるから。ね?」
柘植さんは、さっきまでと正反対の優しい表情でわたしを見つめる。
「さ!携帯もあったし、帰ろうか。」
「・・・ん。」
彼女の手にあった携帯を取り上げ、柘植さんはわたしを抱き寄せたまま、歩き出す。
「・・・ちなみに、なっちゃんの名誉のために言うけど。
なっちゃんは一途にお前だけを想ってたよ。
俺が勝手になっちゃんを好きだっただけだから。
・・・こーんなイイ女を捨てるとは…
本当にダメ男。」
柘植さんは振り返らず、前を向いたまま話し、また歩き出す。
しばらく歩いた頃、後ろから
「どういう事だよ」
「他に男いるのか」
と、言い争う声が聞こえてきた。