マイ・シュガーランド
「寒いわけだね。」
微笑みながらわたしの顔を覗き込む柘植さん。
その微笑みは、やっぱりこっちまで笑顔になってしまう微笑みで・・
「柘植、さん…
ありがとうございました・・」
「・・・無理して笑ってない?」
柘植さんは悪戯っぽく笑って、わたしの頬に溢れ出す涙を優しく拭う。
「よし!なっちゃん!
甘いもの食べよう!!」
「―――――は?」
「あのお店、俺のお気に入りのケーキ屋なんだ。
持ち帰って食べよう!」
柘植さんは嬉しそうにわたしの手を引っ張りながら、カントリー調の小さなケーキ屋さんに入っていった。