マイ・シュガーランド


「なんか、東京って凄いです。
シンデレラになったみたい・・」


「―――ハハッ
サクラさんは乙女っぽいこと言うね。
さ、まだまだ買うものあるから行くよ。」


立ち上がり、歩き出した柘植さん。


「あ、あの!
すごく言いづらいんですけど・・
お会計って…」


「―――なに言ってるの?そんなこと気にしないで。」


「で、でも・・」


「素直に甘えておいてよ。」


「そんなわけには・・・」


「サクラさん。
じゃあ払ってって言ったら払えるの?」


「…うっ―――」


「意地悪いって、ごめん。
俺が無理に連れてきたんだし、いいでしょ?」


優しい笑顔をしながらわたしの手を握った。

・・・わっ


何度か腕はひっぱられたりしたけど、手は初めて。


柘植さんは手を優しく繋いだまま、階段をゆっくり降りていく。


「あ、荷物もつよ。」


返事を待たずにわたしの手から紙袋をサッと取った。





この人・・

女の扱いに慣れてるな。

< 43 / 160 >

この作品をシェア

pagetop