マイ・シュガーランド
「なんか、東京って凄いです。
シンデレラになったみたい・・」
「―――ハハッ
サクラさんは乙女っぽいこと言うね。
さ、まだまだ買うものあるから行くよ。」
立ち上がり、歩き出した柘植さん。
「あ、あの!
すごく言いづらいんですけど・・
お会計って…」
「―――なに言ってるの?そんなこと気にしないで。」
「で、でも・・」
「素直に甘えておいてよ。」
「そんなわけには・・・」
「サクラさん。
じゃあ払ってって言ったら払えるの?」
「…うっ―――」
「意地悪いって、ごめん。
俺が無理に連れてきたんだし、いいでしょ?」
優しい笑顔をしながらわたしの手を握った。
・・・わっ
何度か腕はひっぱられたりしたけど、手は初めて。
柘植さんは手を優しく繋いだまま、階段をゆっくり降りていく。
「あ、荷物もつよ。」
返事を待たずにわたしの手から紙袋をサッと取った。
この人・・
女の扱いに慣れてるな。