マイ・シュガーランド
昼間に服屋さんで見かけたこの服。
可愛いなぁと見ていたら、柘植さんが手に取りレジに持っていってしまった。
「・・こんな可愛い部屋着、初めてです…」
自分には似合ってない気がして他のにしようかと思ったけれど、勇気を出して着てみた。
けれど、やっぱり恥ずかしくてうつ向いてしまう。
「すごく似合ってる。
なっちゃんは可愛いよ。
自分にもっと自信もって。」
柘植さんはフカフカのベットの上にボフッと座った。
「・・・おいで。」
柘植さんが右手を差し出す。
・・・大丈夫。
柘植さんはきっと、本当に抱き締めるだけで、それ以上はしてこない。
大丈夫。
覚悟は決めたんだ。
わたしは、柘植さんの・・
「…ブフッ」
吹き出す声が聞こえ、柘植さんを見ると口元を押さえて必死で笑いを堪えていた。
「―――なっ!?」
こっちは必死で真剣に覚悟を決めて…
どんな思いで――
「そんなにあれこれ難しく考えないこと。
なるようになるんだから。
大丈夫だよ、なっちゃんのことは大切にする。
恋心はなくっても、家族愛はあるから。
傷つけたりしない。」
・・・線を引かれた気がした。
安心してって言いたかったのかもしれないけれど…
なぜだか傷ついた。