THISTAR
組織
「……分っかんねえ。」


目の前に並ぶ文字を見つめ続けて約1時間。たった紙切れ1枚に何故こんなに悩まされているのだろう…。

 俺の名前は「ザクロ・デノンチェ」。
通称「ヘル・ウェポム」。歳は15で、身長160cm!…というのは嘘で、158cm。いや、いつか160越えてみせるけど。
 そして職業は…「警察最終手段部」。通称は「THISTAR(ディスター)」。
ハッキリ簡単に言うと、「殺し屋」。
………だけど、普通の殺し屋とは違う。一応、警察の“裏組織”ってやつ?死刑になると決まった罪人達を、THISTARのトップクラスの奴らが、そいつのドス黒い人生に終止符をうつ。そんなドロドロした仕事だ。
 THISTARのトップクラスは、俺の他に5人いる。あとの5人は全員俺より年上だし、俺よりこの仕事の先輩。つまり、俺が1番下っ端。この仕事を始めて3年目になるけど…、未だに俺の後に、普通クラスから、トップクラスに上がってくる奴がいない。普通クラスは毎年、年に1回、卒業実技試験がある。20~30人いる中で、卒業試験に合格できた者だけが普通クラスから抜けて、トップクラスの人間になれる。
 THISTARの管理人…つまり、司令官である「レイ」が言ってたけど、トップクラスの人間が6人だけというのは…暗殺任務を遂行していくのに、かなり厳しいらしい。 俺自身、それには同感。人数が少なすぎるために、暗殺されると決まった人間(ターゲット)が増える度、俺達の仕事の回数も増えていく。……酷い時、1週間眠れない日もあるくらいだ。


「ああ~~!!クソッ!!誰だこんなアンケートペーパー作りやがったのは!!」

悩み過ぎて、段々イライラしてきた。八つ当たりの如く机をガタガタ揺らしていると、ミー先輩が俺の手からアンケートペーパーを取り上げ、質問内容を読み上げた。

「…人は何故生まれてきて、何故死んでいくと思いますか?」

「ミー先輩も、このアンケートペーパーもらいましたよね?何て書いたんすか?」

俺が救いの手を求めると、ミー先輩が俺の手にアンケートペーパーを戻した。

「適当に。」
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