【短編】彼と私
そんな困っていた私を助けてくれたのが、そのときバイトをしていた彼だった。
──お客様、そのような行為はお控えください。他のお客様に迷惑ですので。
──あぁ? 聞こえねぇなぁ。
──やめとけって。めんどくせぇし。この店出れば問題ないんだろ。
私の腕を掴んで店を出ようとする彼らに、私は抵抗してみたものの、男の力にかなうわけもなく、すぐに引きずり出された。
──やめてください!
──ごめんね。アイツうざいよな。すぐに静かなところに連れて行ってやるからな。
気持ち悪い笑みを浮かべて、彼らは私の肩に腕をまわした。
そのとき。
──そういうことじゃねぇよ。その子を離せっつってんの。てめぇらには脳ミソがねぇのか、バーカ。
──んだとコラァ!
コンビニから慌てた様子で出てきた彼は、不良たちにそう叫び、そのまま喧嘩になってしまった。