秋月紀行
第弍章
一
依頼者が来てから三日がたった。
(はぁ、今日も進展なしかな……。)
カラン、カラン
『お帰りー。冬真くーん。』
高校から帰って来た冬真に、秋斗が笑顔で出迎えた。
『ただいま。その様子だと、もしかして何か分かったの?』
冬真は高鳴る鼓動をおさえ、秋斗に尋ねた。
『えへへー。教えて欲しい?知りたい?じゃー教えてあげるよ。』
秋斗はにっこり笑って話し始めた。