綾瀬くんと平凡な喧噪
綾瀬くんと生徒会
須藤さんーーいや、「あまずっぱい青春」と出会ってからというもの、綾瀬くんは落ち着きがなかった。
今朝も朝食を食べているときに貧乏ゆすりをして、向かいの席に座っていた姉に足を蹴られた。
そして今日は、彼が待ちに待った議会の日だ。
しかし昨日までの高揚感はどこかへ吹き飛んでしまい、綾瀬くんは憂鬱な気持ちで学校へ向かったのであった。
いつも授業には真面目に取り組んでいる綾瀬くんだが、今日は授業に少しも集中できなかった。心臓の鼓動がどくんどくんと高鳴っていて、今にも倒れるのではないかというほどだった。
そうして授業を終え、ついに議会の時間がやってきた。
いざ生徒会室へ、と教室を出ようとしたら、「綾瀬!」と親しげな声に呼び止められた。
「一緒に行こうぜ」
声の主は、副会長になる海野くんだった。綾瀬くんとはちがい、明るい性格のうえ、ペン回しといういささか特殊な特技をもっているため(生徒たちの間では、『ペン回し大会』という謎の大会がある)クラスでは目立つタイプの生徒だった。
「ああ、別にいいけど」
生徒会室へ行く途中、海野くんはこんな質問をしてきた。
「綾瀬は、なんで生徒会長になったの?」
今朝も朝食を食べているときに貧乏ゆすりをして、向かいの席に座っていた姉に足を蹴られた。
そして今日は、彼が待ちに待った議会の日だ。
しかし昨日までの高揚感はどこかへ吹き飛んでしまい、綾瀬くんは憂鬱な気持ちで学校へ向かったのであった。
いつも授業には真面目に取り組んでいる綾瀬くんだが、今日は授業に少しも集中できなかった。心臓の鼓動がどくんどくんと高鳴っていて、今にも倒れるのではないかというほどだった。
そうして授業を終え、ついに議会の時間がやってきた。
いざ生徒会室へ、と教室を出ようとしたら、「綾瀬!」と親しげな声に呼び止められた。
「一緒に行こうぜ」
声の主は、副会長になる海野くんだった。綾瀬くんとはちがい、明るい性格のうえ、ペン回しといういささか特殊な特技をもっているため(生徒たちの間では、『ペン回し大会』という謎の大会がある)クラスでは目立つタイプの生徒だった。
「ああ、別にいいけど」
生徒会室へ行く途中、海野くんはこんな質問をしてきた。
「綾瀬は、なんで生徒会長になったの?」