私のメガネくん 短編
顔を上げると金峰くんがいた。

「金峰…くん?」


泣いてるのを我慢出来なくて、どんどん溢れていく。


「どうして泣いてるの?もしかして…彼氏?」


金峰くんの顔は心配そうな顔。

どうして分かるんだろう。


「そんなに泣くんなら、その人じゃなくてオレにしなよ。オレなら多賀峰さんを泣かさない」


ふわっといい香りがしたと思ったら、こんどは温かいものに包まれた。


私…抱きしめられてる?


だけど、その腕が優しいから、だから私はその胸で泣いてしまった。


だけど…。だけどね、これは羅威くんじゃない…。


私はトンっと金峰くんを押した。


「ごめんなさい…。やっぱり羅威くんが好きなの…」



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