ヒロインになれない
「……………」
「……………」
何も会話もなく歩く道は…すごく気まずく……男の人と何を話していいかもわからない……
「…………」
「…………」
沈黙………。
「家どこ?」
「あっ、はいっ!家は…紫輝さんの隣……です。」
「…………ストーカー?」
「ちっ、違いますっ!紫輝さんのお父様が………」
「ふーん。」
興味なさそうに返事なさる相良さん…私は、また何も出来ない、と思われたのでしょう…
「…私、今まで…自分で決断ってしたことないんですの。」
「決断?」
「はい…小さいときから、両親の言う通りにしていました…小学校も言われた通り勉強し、私立の大学まで一貫の学校に入学しました…だから、結婚もそうだと思っていました。」
「…で?」
「紫輝さんに会って気づきました。自分がしたいことをやらないといけないんだって…だから、今回は……初めて自分で決めたんですよ?紫輝さんの近くにいたい…紫輝さんと結婚して家庭をつくりたいって…」
「そっか。」
「はい、うまくいくと思っていました…紫輝さんに好きになってもらえるって…」
「……………」
「だけど、ダメですね?私には…」
「………………」
何も言わない相良さん…私は気まずくなり、すぐにごまかしの言葉を発した。
「って、何を言ってるんでしょうね私…」
「あんたは…美人だし…どうせ頭もいいんだろ?」
「?」
「…何の努力もしてないとは言わない………けど、あんま努力もせず…今までうまくいってんだろ?」
そう、言われて否定出来なかった………その通りだから………