ヒロインになれない
「…」
少し時間が過ぎ、私は玄関から顔を出してみた…すると、部屋の前には紫輝さん…
「紫輝さんっ?!どうされたのですかっ??」
「…阿木。」
「大丈夫ですか?何があった…っ!!」
私は紫輝さんに腕をひかれ…抱きしめられていたー。鼓動が早くー顔に熱が一気に集まる。
「…お前は俺がまだ好きか?」
「……………」
可笑しいーこんな弱気な紫輝さん…初めて…
「なぁ…」
「はい…私は紫輝さんだけが好きです。ずっと…」
「あんな酷いこと言われてもか?」
「えぇ、簡単に振り向いて下さると思ってませんもの。」
弱気になりそうな発言を、自分に叱咤してー強気な発言をする…そうしないと…紫輝さんを支えれない…と感じたから。
「お前は素直だな。」