ヒロインになれない
鼻緒が足に食い込んで痛い。だけどそんなこと言ってはいられない…
彼の背中が遠くなっていく…
どうしよう…
名前……紫輝………
「紫輝さん」
彼の名前を呼ぶだけで…心臓が速くなる…
ドキドキ……が速くなる。
「……………」
聞こえて……ない?
「紫輝さんっ!!紫輝さんっ!!」
私は何回も呼んだ…
大好きな……彼の名前を…
「聞こえてるっての。」
と言いながら振り返った彼…
綺麗……。