ヒロインになれない
「なに?」
「あ、あの…私……」
「婚約?もっといい奴いるって…ほら、相良家とか…あいつイケメンだし優しいよ。」
「えっと…その…」
「あんただって、そんだけ美人なんだから男ぐらいいるでしょ?」
さっきとは違って…優しく私に話しかける彼。
言葉使いは乱暴…だけど…口調が優しい。
「わ、私…お付き合いしている男性も…好意を持っている男性もいません…私……は。紫輝さんと結婚して…家庭を築いていくのです!」
「…………」
って、急に何を言ってるの?
私っ!!
恥ずかしい……。