あの気持ちをもう一度
「なんかさ、昨日駅前で愛歌と知らない男が腕組んで歩いてるの見たって」
気まずそうに目をそらす。
でも予想通りで別に驚かなかった。
「あぁ。知ってる。てか浮気しまくりだろ」
普通に言う俺を驚いたように見てくる。
「いいのか?」
瞬矢が確かめるように聞く。
「あぁ。別にいいよ」
仕方ないことだろ?
あいつはたくさんの愛情を求めてるんだろ?
俺にはなんにも言えないから。
「………。そうか」
それきりその話題をだすことはなかった。