あの気持ちをもう一度

「じ、じゃあ今から瞬矢の家行こーぜ！あいつ、この頃つき合い悪いしな！！」
拓也が少し焦っているのがわかった。
俺があんな場面を見てイラついているのがわかってるからだろうな。


「めんどくさくねーか？あいつ家にいなかったらどうすんだよ」
はっきり言って今は恋人通しのやり取りを見たくなかった。
自分が惨めに感じるし、気を使われるのがわかりきっている。


「じゃあちょっと電話してみるわ」
拓也はそう言ってケータイを取り出した。
止めるのもめんどくさくて黙ってそれを見ていた。


「あ、もしもーし！今どこ？家行くからよろしくー」
自分だけ話して切る癖あるよな、こいつ…。

「家だって！行こーぜ♪」
俺を置いてどんどん歩いていく拓也の後について俺も進んで行く。