あの気持ちをもう一度



「晴斗はさ、寂しいんじゃねーの?」
話したわけでもないのに心配そうに言ってくる瞬矢。


「寂しい?」


「あぁ。いつも傍にいて笑ってたのに突然いなくなると寂しくなるぜ」
もっともだと思った。
でも自分に寂しいという感情があるのだろうか。


「なんでだろうな。泣きたくなる」
素直に呟くと瞬矢は小さく微笑んで
「よかった。お前が本気で人を好きになってくれて」
と小さな声でいった。


「あぁ。寂しいのかもな、俺」
わからないけどそんな気がする。
一人には慣れているけど愛歌がいないのは辛い。


俺はいつの間にか愛歌を唯一無二だと思っていたんだ





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