あの気持ちをもう一度



それから医者を呼んで、瞬矢たちを呼んだ。


「もう大丈夫ですね」
笑いながら医者は聴診器を耳から外す。


「ありがとうございます」
愛歌は小さく頭を下げる。


「でも、もうあんなことしてはいけないよ」
医者の注意に頷く。


「じゃあ親御さんに連絡して退院の手続きをしてもらって」
「はい」

医者と看護師が出ていくとすぐに瞬矢たちが入ってきた。


「愛歌!マジよかった」

「ビビったんだぜ?」


瞬矢と拓也が嬉しそうに笑う。
それにつられてか愛歌も笑った。


「愛歌ちゃん、元気になってよかった」
綾瀬が涙ぐんでいる。


「うん。ありがとう」
いつものようにころころ笑うからなんだかずっと寝ていたなんて嘘みたいだ。





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