家政夫さんが過保護すぎます。
あ、そうだ。
お弁当返さなきゃ。
「あの、お弁当ありがとう。卵焼きがねすごく美味しかったの」
私は礼にお弁当を返した。
「卵焼きが?」
「うん。食べたら口の中にじゅわあって…うま味的な…あれは何で味をつけてるの?」
「お前よく分かったね。今日の朝のご飯といい、結構いい舌してるんだね」
礼が驚いたように私を見つめて、やさしく笑った。
「私、こんなに美味しいご飯食べたことなかったから!お母さんは仕事忙しくて、ほとんど惣菜ばかりだったし」
「そうなんだ」
礼はひとつだけふわりと頷くと、私の手からお弁当を受け取った。