家政夫さんが過保護すぎます。

礼にその言葉を言われて思いついたのは、お母さんの顔だった。



「そしたらお母さんに」



その言葉を遮るように礼は言った。



「いつまでも、頼れる人がいるとは限らないんだ」



礼、なんだか怒ってる?

礼の顔が怖かった。


そして少しだけれど、うっすらと目に涙が溜まっているようなそんな気がした。



「礼君、あの…ごめん」



私は礼の腕にそっと触れて謝った。



「いいんだ」



礼はそれだけ言うと、私の手から離れて行った。



< 35 / 103 >

この作品をシェア

pagetop