家政夫さんが過保護すぎます。
4 休日のキッチン
帰り道。
礼は一言も話そうとしない。
私も話しかけるのがなんだか気まずくて、ただ礼の後ろを歩いた。
その時私の携帯が鳴った。
着信はお母さんからだった。
礼は、少しだけ首を後ろに向けて私を気にしたけれど、すぐに前を向いて歩き出した。
礼の後姿を見つめながら、私は携帯電話の通話ボタンを押した。
「もしもし」
『桃子。礼君と仲良くしてる?』
「え?うん…まぁ」
『なによ、歯切れが悪いわねえ』
お母さんは、電話口の向こうでため息をついた。