家政夫さんが過保護すぎます。
『礼君の作るご飯、美味しいでしょ?』
「え?食べたことあるの?」
『ええ。もちろん』
「そうなんだ」
『……桃子…礼君ね』
お母さんが少し間をあけて、言葉を続けた。
『高校生の頃家族を亡くしてね、ずっと一人ぼっちだったの。
だから家政夫の話は、桃子のことが心配だったってこともあるけれど、礼君の為でもあったの』
「え……?」
『ごめんね、急に。ビックリした?』
お母さんが私に申し訳なさそうに、謝った。