家政夫さんが過保護すぎます。
「そんな……」
「でもね、桃子。私は礼君の書いたものをみたけれど、決して桃子のことを酷く書いたものじゃないと思うの。むしろ……」
「むしろ?」
そうしてお母さんは言葉を切った。
「一度桃子にも礼君の書いたものを見て欲しいな。そうしたら私がこの後言いたかった言葉が分かるから」
お母さんはビジネスバッグの中から、礼君の原稿を取り出して、私に手渡した。
タイトルはまだ白紙のままで、一枚目には礼君の名前だけが記されていた。
私は静かにページをめくって、礼君の書いたものを読み始めた。